フラッシュの復活

トレンド / リアリティ
Linas Vaitonis / EyeEm
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Lauren Catten
3月 1, 2019

90年代ファッションのリバイバルと相まって、フラッシュ撮影が復活中です。

食べ物やインテリアなど、さまざまな写真が今ハイパーカラーで輝いています。かつてはファッション誌の『THE FACE(ザ・フェイス)』や『i‑D(アイディー)』で当たり前に行われていたフラッシュ撮影。写真家テリー・リチャードソン(Terry Richardson)の代表的なスタイルとなり、Marc Jacobs(マーク・ジェイコブス)やAmerican Apparel(アメリカンアパレル)といったブランドを一躍有名にしたのも、フラッシュ撮影です。ところが、ソーシャルメディアで写真がもてはやされるようになるに従って、現実に則した環境や人々を写実的な構図で表現することが好まれるようになり、鮮烈で大胆なスタイルのフラッシュ写真は見られなくなっていました。

しかし、フラッシュで写し出す刺激的で生々しい描写よりも、リアルな表現は存在するのでしょうか? 目を引きやすく面白さや楽しさを伝えることができるのはもちろんのこと、スピード感、そして、はっきりとした明るさによって臨場感を演出するフラッシュ写真に、ブランドが注目し始めています。ぼんやりとした加工を施すフィルターや落ち着いた色調がここ数年間Instagramで人気でしたが、これからはとげとげしいまでのリアルさを引き出すフラッシュが、見る人の心を揺さぶり、光景を印象付けるものとして注目されています。

決して新しいとは言えないフラッシュ撮影ですが、見た目とは裏腹なものが多い現在では、細部まで照らし出されて浮き彫りになった本当の姿を表現することで、若い世代の目を引き、楽しませているのかもしれません。

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