地元で買い物:小規模ビジネスの持続的発展

トレンド / サステナビリティ
Mike Harrington
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Rebecca Rom-Frank
11月 30, 2021
自分の住んでいる市や町で、空き店舗が増えているのを見たことがある人は、健全な地域経済にとって小規模ビジネスがいかに重要であるか、身をもって知っていることでしょう。パンデミックの最中、大型店でオンライン注文の利便性と安全性が優先される一方、SBE評議会は、米国の小規模ビジネスの30%が事業を停止したと推定しています。1それを反映するように、ゲッティイメージズの顧客は、「小規模ビジネスの持続的な発展」と同様に、「地元で買い物」「小規模ビジネスのサポート」といったフレーズを検索していることがわかりました。地域経済の繁栄と所得格差の縮小が、サステナビリティの包括的な定義に必要なことを考えると、小規模な地域ビジネスに視覚的な焦点を当てるのは重要で、価値に重きを置く現代の消費者の心に響くことでしょう。
Visual GPSの最新調査では、依然として費用がサステイナブルな製品を購入する際の障害となる一方、消費者はグローバルな企業よりも、小規模な地元の店舗から購入する傾向がわかりました。また同時に、サステナビリティの取り組みを行っているブランドを選択しやすいということも明らかになりました。ローカルの店舗で買い物をするのは、確かに環境的に利点があります。自営業者は地元で製品を調達する傾向があり、サステナブル・コネクションズの試算によると、地域社会で十分な買い物ができる場合、住民は自動車排出量を26%削減しています。2小規模ビジネスには、国際的な大企業が行うような再生可能エネルギーへの取り組みをするパワーはありません。しかし、消費者は、地元コミュニティに貢献している小規模ビジネスの存在自体が、よりサステナブルとなることを理解しています。3

2009年の不況以来、米国では「バイローカル(地元で買い物を)」や「スモール・ビジネス・サタデー(土曜日は地元の小さなビジネスで買い物を)」キャンペーンが盛んです。スモール・ビジネス・ウィークというのが開催された際、多くの大企業が自社製品を使っている小さなレストランやお店を広告で紹介しました。Visual GPSによると、82%のアメリカ人がパンデミック前と同じか、それ以上に小規模ビジネスで買い物をしていることがわかりました。しかし、サプライチェーンの問題が深刻化していることから、中小企業はさらなる支援を必要としていると思われます。そこで、小規模ビジネスや中小企業に供給するようなブランドに対し、ビジュアルを選択するための3つのインサイトをご紹介します。4
消費者は誰が経営しているのかを気にする
サステナビリティや小規模ビジネスに関する検索と同時に、顧客はその経営者についても関心を寄せており、「黒人の小規模ビジネスオーナー」や「女性の小規模ビジネスオーナー」という検索もこの1年で増加傾向にあります。最も支援が必要な事業を可視化すると、コロナ禍で閉鎖したビジネスのうち、黒人や先住民、有色人種(BIPOC)が経営する小規模ビジネスの閉鎖率は27%。他のビジネスの18%と比べ、女性経営者の閉鎖率は25%、男性経営者の20%などと比べると明らかです。5これは、弊社の顧客が、地元での買い物を奨励する際に、援助を一番必要としている人たちを確実に支援したいと考えていることを示しています。

また、今回の調査では、専門職者より労働者階級を自認する回答者は、小規模ビジネスを支援することで、地域に資金を循環できると考える傾向があることがわかりました。よって、店舗だけでなく、女性やBIPOC経営者のビジネスに注目し、ビジネスの種類やコミュニティの多様性を示すようにしましょう。
地元特有の製品は環境への配慮と同じように重要
廃棄物ゼロのモデル、環境負荷の低減を考えた包装、コンポストなどを取り入れた小規模小売業者の取り組みは素晴らしいです。ただし、廃棄物の対処というのは、サステナビリティの全体的な定義の一面に過ぎません。前述のように、パンデミックの影響で、米国をはじめ世界中で起きているサプライチェーン問題による出荷の遅れは、確かに一部の中小企業に影響を与えています。しかし、この状況により、海外貿易だけに依存するのでなく、地元で持続的に利用できる資源の価値が注目されているのです。感染を減らすだけでなく、コミュニティの自立を図るための戦術でもあるのです。

私たちの調査によると、消費者がわざわざ地元で買い物をする理由の上位に、商品の特有性が挙げられています。そこで、材料を独自に調達している企業、小規模かつローカルで製品を製造したりサービスをしているビジネス、あるいは地域ならではの体験を提供している企業を紹介することを考えてみてください。

店舗や職場で居場所やコミュニティを作る
eコマースはあらゆる規模のビジネスで増加していますが、Visual GPSの調査によると、アメリカ人の半数以上が、小規模ビジネスと関わる一番の方法は、対面での購買であるとしています。また、地域で買い物をする体験で最も重要な点は、その体験から得られる個人的交流と配慮であると答えています。

歴史的に見ると、腕を組んで誇らしげな小規模ビジネスの経営者の肖像が、よくある中小企業のビジュアルの特徴となっています。地域ビジネスの個人的な側面を見せるのはもちろん有効的ですが、顧客との交流、あるいは集いの場としての一面を見せることも重要です。そのビジネスは特別であり、維持することが必須であるとすれば、地域社会の中での重要性を強調することができます。
農耕ライフ