日本のサステナビリティをビジュアルで表現

トレンド / サステナビリティ
visualspace
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Yuri Endo
1月 21, 2021
一般的には、自然や質素な伝統が大切にされる文化を持つことから、日本人は環境に配慮してサステナビリティに取り組むエコ意識の高い人々というイメージがあるかもしれません。実際の日本はプラスチックゴミの多さで知られており、その量は世界で第2位。リサイクルされたプラスチック製品のうち、実際に使われているのは約30%にすぎず、残りは焼却されています。再生可能エネルギーが少ない日本の化石燃料への依存と“グリーンリカバリー”への遅々とした対応は、国際的な注目を集めることになり、コロナ禍を契機にさらに見直しが進んでいます。
日本の消費者が世代を超えて、植物を育て、ごみを減らし、自転車移動をし、環境に配慮したキャンプをするなどの行動が進み、より持続可能なライフスタイルを選択することに力を入れていることは、パンデミックがもたらした明るい未来の兆しと言えます。最近実施したVisual GPSの調査では、日本の消費者の83%が、地球への現在の対応が将来に深刻な影響を与えると考えていることが明らかになりました。また、80%の消費者は、企業やブランドに対して、製品やサービスが環境と直接関係のないものであっても、広告やコミュニケーションのすべてにおいて環境に配慮することを期待しています。このような結果から、どのような業種でも顧客とのコミュニケーションでサステナビリティの実践を伝えることが、消費者の関心を集めることにつながる重要事項だと言えます。
日本の広告やコミュニケーションでは、環境や気候変動の危機をめぐる大規模な取り組みが見られるようになりました。特に大企業は、リデュース、リユース、リサイクルを実践して環境を守るための取り組みを見せています。そして個人プラットフォームコミュニティ独立系ショップなどでも、人類と地球の未来の保護を訴えるという人が増えてきています。こうした個人レベルで発せられるメッセージは、消費者の心に響き始めており、少しずつライフスタイルを持続可能なものに変えていこうとする機運が高まっています。この発展過程にあるライフスタイルをビジュアルに反映させるうえでのポイントは、多様な人がサステナビリティに取り組む様子を見せることです。再利用可能な製品を使っているシーンだけではありません。自家製堆肥や目的意識を持ったガーデニング、環境に配慮した休暇の過ごし方なども含まれます。スモールビジネスの事業者や廃棄物ゼロ・コミュニティなど、持続可能な未来を創造しようと一緒になって取り組んでいる人々の多彩な様子を表現してみましょう。弊社の調査では、倫理意識の高い消費者はサステナビリティを実践している企業に対して4倍多くの金額を支払う可能性が高くなるというデータもあります。現代的で持続可能なライフスタイルを日本で行っている様子がビジュアルで表現されれば、日本の消費者を惹きつけられると考えられます。
さらに日本の消費者が透明性の高いビジネスを求めていることがわかっています。商品の製造工程の様子を知りたいと考えている人がおよそ5人中3人に達していることから、サステナビリティを実践している製造の様子を示すビジュアルを盛り込めば、大きな反響を得られるかもしれません。日本の消費者との信頼関係を築くためには、舞台裏の模様を伝えるビジュアルを使ってみましょう。イラストやCG画像もうまく活用して、持続可能な方法で製品やサービスを生み出しているビジネスの仕組みや、倫理的に素材を調達していることを示すと、非常に効果的です。

先日発表された日本政府の2050年カーボンニュートラルの実現は、具体的な工程はまだ発表されていないものの、再生可能エネルギーの利用促進の取り組みを反映する前向きな動きであることには変わりありません。大切なのは、すべての業界が新しい方法で環境に真の変化をもたらしている様子を可視化することです。大規模なものから小規模なものまで、日々の歩みの中で実践されている取り組みをビジュアルで表現してみましょう。
循環型経済への移行