Visual GPS:サステナビリティ

トレンド / サステナビリティ
Getty Images Creative Insights Team
2月 24, 2020
Visual GPSは、情報過多の現代社会でのビジュアル表現の在り方を模索し、よりよいクリエイティブを目指す方のために開発されました。本レポートでは現代の消費者にとって大切なもの、興味を引き付けるコンテンツ、最終的な意思決定と行動を促す要因など、さまざまな切り口でビジュアルコミュニケーションを促進する秘訣を探ります。そして独自の調査研究により、意思決定に影響を与える要因が複数存在することがわかりました。人々の行動に強い影響を及ぼすことから、この要因のことを、ゲッティイメージズでは“フォース”と呼んでいます。このページでは、フォースのひとつ“サステナビリティ”について紹介します。
サステナビリティの定義 
国連によって30年以上前に提唱されたサステナビリティは、「将来の世代の欲求を満たす機会を侵害することなく、現在の世代の欲求も満たす」ことであり、地球に住む人たちが生存繁栄するために必要なものを確保することを指します。CO2の排出量の削減、リユースやリサイクル、自然の美しさに対する感謝と保護、そしてそれを次世代の子供たちに継続してもらうことなど、さまざまな企業の態度が今まで以上に注目されています。

市場調査でわかる人々が大切にしていること 
今では一般的にサステナビリティという言葉を見聞きするようになりました。サステナビリティは、世代、ジェンダー、宗教を問わず、あらゆる人に影響を与えているフォースです。若い世代ほど環境問題に意識的であると考える人は多い一方で、今回のリサーチでは、その考えがあらゆる属性に応じて変化することがわかりました。
今では、消費者と販売者のいずれにとっても、
気候変動を助長することは恥すべき行為になりました。
(ゲッティイメージズ Creative Insightsチーム)
人々の行動の取り方 
自分の信条と実際の行動が一致しないことがありますが、サステナビリティでは少し様子が異なっているようです。それはサステナビリティの問題を解決することで、喜びと幸福がもたらされるためです。CO2排出量を削減するのは、それにより個人的な喜びを得られるためであることが、調査の結果からわかっています。

サステナビリティのビジュアル表現 
こちらのビジュアルは、サステナビリティや環境問題を表現しています。ゲッティイメージズのビジュアル専門家が特にサステナビリティのコンセプトを消費者に伝えることができると解釈したものです。

サステナビリティが大切な理由 
サステナビリティが大切であることは、データからわかっています(環境問題では、統計データが効果的です)。ところが、私たちは見えないものを変えることはできません。まずは自分の行為が世の中の環境に及ぼす影響を自分で認識しなければならないのです。例えば、海に浮かぶ使い捨てプラスチックのビジュアルを用いて、プラスチックの使用に反対する世界的なキャンペーンを効果的にアピールするといった具合です。
現代の3大問題 
1. 使い捨てプラスチック
マイボトルが世の中に広まるにつれ、関連事業が成長しています。有名ブランドが参入し、市場規模が拡大しています。

2. 持ち帰り用コーヒーカップ
大手のファストフードチェーンやコーヒーチェーンがデザイナーとともに開発した、堆肥になる飲料カップが誕生しています。

3. プラスチック製ストロー
アメリカの一部の街では、プラスチック製ストローが禁止されています。ハンドメイド品、ビンテージ品の販売・購入サイト Etsy.com では、3月から4月にかけて“reusable metal straws(再利用可能な金属製ストロー)”の検索数が205%上昇しました。

レジ袋、コーヒーカップ、歯ブラシといった製品自体に加え、2020年以降は、製品に使う材料も重要視されるようになっています。ゲッティイメージズの検索データからは、“reuable coffee cups(再利用可能なコーヒーカップ)”、“straws(ストロー)”、“water bottles(マイボトル)”などに対する興味が高まっていることがわかっています。このことから、ライフスタイルやビジネスのコンテンツでも、どのようなビジュアルを用いるか考え直す必要があることがわかります。ボトル、カップ、ストローは些細なものかもしれませんが、そうしたものが画像や映像に含まれているときは、現在のサステナビリティ基準に見合うようにすることが大切です。

以下は、サステナビリティをビジュアルで表現した例です。
使い捨てカップにさよなら