日本における持続可能で倫理的なビジネス慣行

トレンド / サステナビリティ
visualspace
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Yuri Endo
1月 7, 2022
気候保護への意識の高まりとともに、消費者たちの関心は、責任ある倫理的な企業へと向いています。倫理的な企業を見極めるポイントは、その会社の製品やサービスが、生産の各段階や製品のライフサイクルにおいて、人間や環境、そして動物に、どれだけ良い影響を与えているかということです。これは当たり前のように聞こえるかもしれませんが、実は大企業でさえも、すべての要件を満たすことは容易ではないのです。
例えば、その企業はサプライチェーン全体で労働者を搾取するのではなく、従業員や請負業者に国際労働基準に則った権利を保障していますか? 児童労働や強制労働を禁じ、労働者の安全、労働組合に加入する権利、そして生活賃金の支払いに関する方針と慣行を定めているでしょうか? 開発、製造、流通の全工程において、資源とエネルギーの利用、二酸化炭素排出量の削減、水質への影響、そして化学物質の安全な取り扱いと廃棄への配慮はどうでしょう? プラスチックやポリエチレンのような、安価で便利であっても地球に有害な素材を使用していませんか? 動物実験を行なっていない製品でしょうか? 動物由来の製品を使用してますか?
日本の消費者の大多数は、サプライチェーンのすべての段階で人権を尊重し、良き労働慣行を実践している企業から製品やサービスを購入したいと考えています。
パンデミック以前、日本の消費者の多くは、私たちの地球の扱い方が自分たちの未来に大きな影響を及ぼすと信じてはいたものの、環境的に持続可能なライフスタイルを導く具体的な方法をリサイクル以外に見つけることができていませんでした。最新のVisual GPSの調査では、パンデミック以降、日本の消費者の大多数が、環境に配慮しているだけでなく、サプライチェーンのすべての段階において人権を尊重し、良き労働慣行を実践している企業から製品やサービスを購入したいと考えていることが分かりました。彼らは、生態環境の危機の中にある問題は一つだけではないということに気付いているのです。

しかし、回答者の多くは、環境に配慮した製品を選びたいと思いながらも、利便性やコストを優先しがちで、二酸化炭素排出量を減らすために自分に何ができるのかわからないといいます。回答者の年齢が若いほど、利便性を求める傾向があるようです。価値観と実際の消費動向の間に、不一致があるといえます。
責任ある、倫理的なビジネスを視覚化したい企業やメディアが心がけておくべき洞察を、いくつかご紹介します。

倫理的なビジネス慣行を表現していますか?
社会的・環境的な問題を考慮した倫理的かつ責任ある方法で、どのように原材料を調達し、製品を製造し、消費者に届けているかを表現していますか? 労働者の福利厚生に配慮した環境の中で、どのように製品やサービスを生産しているかを表現していますか?

地域コミュニティへのサポートを表現していますか?
パンデミックの中、日本の消費者の大多数は、地域の小規模ビジネスをサポートすることを
優先しています。地元での買い物は、二酸化炭素の削減にもつながります。

循環型経済を表現していますか?
「生産」「消費」「廃棄」する従来の経済システムとは異なり、循環型経済では製品や原材料を"資源"として捉え、それらを廃棄物を出さずに循環させ続けます。

リユース革命