環境への配慮というイメージを考え直す

トレンド / サステナビリティ
svetikd
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Maxine Ihezie & Rebecca Rom-Frank
8月 18, 2021
サステナビリティをビジュアルで表現する際には、従来のイメージから脱却する必要があります。それと同時に、環境への配慮が人々の手に委ねられているという感覚が全体的に感じられなければなりません。

ビジュアルの進化
2015年、ゲッティイメージズで最も売れたサステナビリティ関連のビジュアルは、“苗木を持っている人間の手”を表現したおなじみのものでした(左下の写真)。2020年に最も売れたサステナビリティ関連のビジュアルも、“手”“土”“芽”という象徴的なビジュアル要素を含んでいましたが、ペットボトルを庭で再利用している様子を描いたものでした(上の写真)。“環境保護”などのキーワードで検索回数が増えていることからも、サステナビリティのビジュアルで“配慮”という概念を引き続き伝えようとしていることがわかります。ただし現在は、それをもっとリアルで私的な感覚や日常的な状況の中で表現しているようです。
現在求められているのは、持続可能な行動が人々の生活にどのように溶け込んでいるかを示すことです。ゲッティイメージズが最近行ったVisual GPSの調査では、ヨーロッパの消費者の95%が、リサイクルをはじめ、再利用可能なカップやバッグを使用したり、中古品を購入したりするなど、日常生活の中で持続可能な行動をとっていることがわかりました。また、ヨーロッパの消費者の10人に6人は、環境に配慮したブランドの製品しか購入しないと答えています。’気候変動対策の重要な局面を迎えているという最近の国連報告書を受け’、消費者は今後も持続可能な行動をとる方法を模索していくと思われます。

実用的なチェックポイント
どれだけ自分が二酸化炭素を排出しているかに注意を向けることが、ヨーロッパで消費者の生活の一部となっている今、そうした感覚を表現するビジュアルは共感を呼びやすくなります。消費者が環境に配慮していることを示す新しい方法を探しているように、ブランドもサステナビリティをビジュアルで表現する新しい方法を探しています。こうしたテーマを表現するビジュアルを選ぶ際のポイントは、次のとおりです。

  • メッセージが斬新。多くの人が、これまでにない独創的な方法で持続可能な行動を実践しています。そうした行動を自然に表現することを意識すれば、決まりきった表現から脱却し、幅広いビジュアルでサステナビリティを表現することができます。
  • パーソナルであること。等身大であり、感情がこもっているものは、常に消費者の心に響きます。個人やコミュニティが持続可能なライフスタイルを送ることで得られる、リアルな充足感を表現してみましょう。例としては、チャリティショップでわくわくするものを見つけて購入する光景や、子供たちにサステイナビリティを教えて絆が生まれる瞬間などがあります。
  • インクルージョンを反映していること。積極的な環境保護を行う設定であらゆる属性の人たちを起用すれば、どんな人にとっても親近感の持てるサステナビリティの表現になります。地域の清掃活動やサステナビリティに関する教育など、どのような設定であっても、人種、社会経済グループ、体型、セクシュアリティ、ジェンダーアイデンティティ、宗教、障害など、様々な属性にわたって多様な人たちを起用して、現実社会の多様さを反映するといいでしょう。
日本のサステナビリティをビジュアルで表現