進化する50歳以上のウェルネス

トレンド / ウェルネス
MoMo Productions
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Jacqueline Bourke
6月 10, 2020
50歳以上の人々は、よい人生を表現する上で欠かせないオーディエンスです。メディアの認識では、目的を持って意識的に行動する存在としてミレニアル世代が紹介されることが多いですが、その手本を示しているのはベビーブーマー世代かもしれません。Visual GPSの最新調査によると、ベビーブーマー世代はZ世代に比べて40%も多くの人が自分の選択に注意を払い、意識的に行動していると答えています。自分の主義で生きることの大切さと年齢には明確な相関関係があります。調査対象となったベビーブーマー世代の3分の2以上が、自分の選択について意図的かつ意識的であると答えているのに対し、X世代では53%、ミレニアル世代では46%、Z世代では34%しかいません。

しかしながら、ベビーブーマー世代は、ウェルネスを取り扱うビジュアル表現で対象にされないことがよくあります。対象になっていたとしても、切り離された存在、依存的な存在、受動的な存在として描かれることが多いのです。最近行われたAARPの調査では、50歳以上の人たちがコミュニティにしっかりと関わっている一方で、50歳以上の人たちを起用するビジュアルの10分の7は、世間から切り離された孤独な存在、依存的な存在として、描かれているか、パートナーやカウンセラー、医療専門家などの“ケア”をしてくれる人たちと一緒に描かいているかのどちらかです。

世界保健機関(WHO)は、年齢差別と闘う世界的なキャンペーンを主導しています。年齢による偏見は、50歳以上の健康と福祉に深刻な悪影響を及ぼします。50歳以上の人たちのビジュアルを改めることで、年齢に対する認識を力強く変えていくことが、これまで以上に重要になってきています。行動に意識的なベビーブーマー世代をブランドコミュニケーションの中心に据えて、様々な一面を持ち、変化に富む力強い生活を送る同世代をありのままにビジュアルで表現するときがやってきているのです。
ゲッティイメージズでは、50歳以上のウェルネスを表現したビジュアルの検索数が年々増加しています。例えば、“Seniors Exercising (シニア 運動)”の検索数は94%、“Active Seniors (活動的なシニア) ”は113%、“Seniors Walking (シニア ウォーキング) ”は169%、“Healthy Seniors (健康的なシニア) ”は219%増加しています。実際にダウンロードされているものは、フィジカルヘルスやフィットネスを中心とした「Seniors and Wellness (シニア&ウェルネス) 」が圧倒的に人気です。

ウェルネスの世界的な象徴といえば、ヨガです。シニア向けのヨガは、一人またはペアで行うことが多いので、私たちはコントリビューターの方々に、より身近なヨガを撮影することを奨励しています。対面でもオンラインでも、ほかのシナリオと組み合わせても良いでしょう。2018年に最も売れた女性のビジュアルは、シニア女性のグループが一緒にヨガのレッスンを楽しんでいるものでした。こうしたウェルネス関連の全ビジュアルでカギとなるのは、内面の幸福、喜び、優しさを捉えていることです。
しかし、ウェルネスは身体的な健康に限ったことではありません。情緒的、精神的な健康は、50歳以上の多くの人たちにとって最重要課題となっています。そうした人たちは、自分の感情を管理する方法や、効率的な習慣の作り方、社会との交流を増やす方法、そしてストレスを軽減する方法を積極的に追及して理解しようとしています。心身を含めた健康には、友人と連絡を取り合い、マインドフルで、自分自身に忠実である方法も含まれます。感情的な健康のもう1つの側面は、周囲の世界との関わり方です。それは、50歳以上の人たちが、感情的に有益な人間関係を育み、批判ではなく受け入れる力を養い、目標達成に役立つ意図的な決断をすることを視覚的に物語ることを意味しています。大切な人と過ごす行事ほど、健やかな気持ちにしてくれるものはありません。

世界のほとんどの地域で高齢化が進み、今後数十年の間に、ウェルネスの話題はますます勢いをますことが予想されています。WHOは、60歳以上の人口が2050年までに現在の12%から2倍近くに増加し、世界人口の約4分の1になると予測しています。2020年は、世界で55歳の人口が5歳の人口を上回り、年配の消費者が15兆ドルの消費力を占めるようになると予測されています。
行動に意識的なベビーブーマー世代をブランドコミュニケーションの中心に据えて、彼らのありのままの多次元的、ダイナミックで逞しい生活をアピールする時なのです。
マインドフルな先輩をビジュアルコミュニケーションの最前線に連れてくることを忘れないでください。私たちはビジュアルコミュニケーションにおいて、高齢者の福祉に大きな影響を与える、切り離された、依存的で受動的な年齢の偏見を打ち破ることで、年齢差別に挑戦する責任があります。多様性に富む50歳以上の年齢層を、様々な一面を持つ存在としてありのままに表現するのです。活動的なシニア消費者のために、身体の健康に関するビジュアル表現を拡大していきましょう。身体的な健康だけでなく、精神的、感情的、精神的な健康も含めた、より総合的なウェルネスを表現することも忘れてはいけません。そして、つながり、コミュニティ、そして一体感を強調することです。そういったことを表現するのは、コロナ禍によって日常的になりました。そして今後も、50歳以上の消費者と密接に関連性を保ち、強く共鳴し続けるでしょう。
メンタルヘルスをビジュアル化