脅威をビジュアルで表現する

スポットライト / おすすめ写真
Andriy Onufriyenko
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Sarah Foster
4月 23, 2020
近代、例のない状況を迎えている今、これまで以上に創造性と想像力が求められています。私たちは、見ることを通じて物事を学び、理解します。そして急速に変化する現在の環境において、ビジュアルには、極めて不安な現状と不確かな未来を可視化して解釈するにあたって、計り知れない力があります。

そして、ビジュアルを通して世界を変えていくことがゲッティイメージズの生命線と考えています。現在の苦境に対して、ゲッティイメージズのクリエイティブチームと専属クリエイターはすぐに立ち上がり、リアルタイムでニーズに応えるビジュアル制作の概要をまとめてきました。そして、これまでに凄まじい反響をいただいています。わずか1か月間で、専属クリエイターは顧客の細かな需要に応えるべく、関連性の高い新しいビジュアルを次々と生み出してきました。

この勢いある制作の一端として、私は幸いにも多彩な才能を持つAndriy Onufriyenkoと一緒に仕事をすることができました。独学ながら確かな技術を持つ写真家でありデジタルアーティストである彼の色鮮やかなポートフォリオは、気まぐれでいて夢に出てくるようなもの、アナログの中判ポートレートから、高度に洗練されたCGIやモーショングラフィックスまで、多岐にわたります。彼は多様なスタイルを持ちながらも、深みのあるカラーパレット、エレガントでシンプルなグラフィック、多次元的かつコンセプチュアルな可能性を表現するのに長けています。そして、彼は複雑な概念を明快に表現してくれます。広告や企業とのプロジェクトの合間に、ゲッティイメージズと主要なニーズ、アイデアになるような情報の共有や、コンセプトのブレインストーミングを定期的に行っています。彼は創造性に溢れているので、一緒に仕事をしていてとても楽しいです。

コロナウイルスが話題になってから、すでにいくつかのテーマで制作を行いました。顧客がコロナウイルスについてビジュアルで表現するには、様々な画像や映像が必要になることを、Andriyはいち早く理解していました。既存のビジュアルにはニュアンスが足りないと思っていた彼は、自身の思考過程とアプローチを次のように説明しています。

「ウイルスなどの微生物の写真に目を通していて気づいたんですが、ほとんどが暗くて怖くて重々しく見えるんです。そこで僕は、もっと直接的で中立的、なおかつわかりやすく新型コロナウィルスを表現しようと考えました。重大なものに見えるようにするのはもちろんですが、見る人の興味をそそって、もっと近くで見たいと思ってもらえるようなものですね。リアルな描写が可能な写真の特性はそのままに、質感豊かで、開放感のある構図にしたいと思っていました。平坦な背景に対して活き活きとした色を使って、手早くコントラストつけました。それにより、メインの被写体が前面に出て、写真が一気に人目を引くものになります。レイアウトのために合成を考える必要すらなく、別の意味合いや比喩的な表現が重なったとしても、単純明快で使いやすいです。近頃は怖くて否定的なものが多いので、みんながもう少し興味や好奇心を持って楽観的に何かに目を向けられるように、僕の画像が手助けになればいいなと思っています」
 
目に見えないこの脅威を描くことによって、それは未知から既知のものになります。Andriyのような解釈は、この脅威を可視化して理解していく方法を提供していると言えるでしょう。今この瞬間も、そして未来に向けても、ゲッティイメージズのクリエイティブチームとクリエイターは、顧客に適切なビジュアルを提供することに取り組んでいます。その迅速な制作は、どんなことがあっても変わりません。
日常から考えるサステナビリティ