シンクロおばあちゃん

スポットライト / おすすめ写真
Thomas Barwick
1172575431
Amy Lehfeldt
10月 10, 2019
高齢者のライフスタイルのイメージをくつがえすことにかけては、アクアデッツ(Aquadettes)ほど刺激的な存在はないでしょう。南カルフォルニアで充実した生活を送る彼女たちは、もともとシンクロナイズド・スイミングのパイオニアとして活躍していました。そのうちのひとりは、アメリカの水中ショーメンバーとして1950年代後半から~60年代にかけてヨーロッパを巡りながらスポーツの振興に努め、1960年のローマ五輪大会でシンクロのデモンストレーションにも参加した人物です。それから24年後の1984年にシンクロは五輪大会の公式種目になりました。アクアデッツメンバーには一部プロも含まれますが、55歳以上でこの地域で生活している人であれば、どんな人でもチームに参加できます。アクアデッツに参加するために、引っ越しをする人もいるんだとか。

このように興味深い活動をしている彼女たちと出会ったのは、AARPとゲッティイメージズの共同で制作している“Disrupt Aging”コレクションのために調査をしていたときで、50歳を超える人のイメージを改めてビジュアルで表現しようと考えていた時でした。トーマス・バーウィック(Thomas Barwick)に連絡を取った私は、アクアデッツを撮影するアイデアを一緒に話し合い、その結果、これは特別なものになるという確信を得ることができました。トーマスと彼のスタッフは、アクアデッツに会って一緒に撮影できることを大変楽しみにしていました。撮影の最初からすぐにわかったのは、アクアデッツのメンバーは年齢に関係なく自分自身に挑み続けていることでした。しかも、それを楽しんでやる方法も心得ています。

今回の窓口を担当してくれたヴァレリーは、アクアデッツの全衣装のデザインを手掛けています。その数は1年になんと217着。その彼女がアクアデッツのメンバーであることの意味と仲間意識について次のように語ってくれました。「年齢、健康、ストレスとか疲れちゃうことはあるけど、一度、水の中に入って長年の友達と一緒に音楽を聞いていると、まったく違う世界に連れていってくれるの。嫌なことは全部消えて、すごく楽しいのよ。一生懸命頑張らないといけないけど、その価値はあるわ。この子たちのことをすごく誇らしく思う。そういうふうに言うだけで泣きそうになるくらいにね。いつもみんなのことを“この子たち”って呼んでいるわ。」
個性豊かな ヘアスタイル