バランスの取れた生き方

現代武道である合気道は、精神、感情、魂、肉体のバランスを取るための心身の鍛錬であり、自らの身体のコントロールしながら完全なる心の平穏を保ち、起こりうる闘争を平和的に解決することを目的としています。さらには礼、敬意、調和の重要性も加わり、現代社会のプレッシャーやストレスに対応するための完璧な哲学と言えます。

写真家のMilijan Marinovicは最近、メキシコシティ郊外の小さな合気道道場で10年以上共に学んできた50〜60歳の少人数のグループと共に、この心身の鍛錬の様子を、実際に撮影する機会を得ました。

ウェルネスとセルフケアは昨今の流行語であり、ブランドと消費者の双方にとって大きな焦点となっていますが、高齢者たちは例によって、その話題から取り残されています。特に男性は、様々な感情を表していたり、自分自身や他人を気遣った思いやりのある姿で描かれることが、ほとんどありません。ゲッティイメージズでは、シニアのウェルネスを表現したビジュアルの検索数が年々増加しています。また、Visual GPSの調査結果は、高齢者差別的な固定観念を変え、活動的な趣味、つながり、コミュニティに満ちた50歳以上の活き活きとした人生を、よりリアルに表現する必要性を浮き彫りにしています。

これらを踏まえ、私たちはストーリーの全容を伝えるべくドキュメンタリースタイルのストーリーボードを作成し、フィットネスの詳細や練習方法を観察しながら、男性たちの活き活きとした友情にもスポットライトを当てました。暖かい日差しが差し込む中、Milijanは選手たちが稽古場に到着してから準備をし、交流する様子のほか、指導や仲間意識、精神集中の瞬間、そしてもちろん実際の合気道の動きを、スナップショットで捉えました。結果として、男性らしさ、老い、友情が新しい視点で描かれ、私たち自身の中と他者との間で培うことのできる強さ、思いやりを思い起こさせてくれるものとなりました。