障害をテーマにした「Disability Collection」

コレクション / 提携パートナー
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Rebecca Swift
5月 16, 2019
雑誌を開いたり、テレビを付けたり、携帯電話を見たりするとき、何を目にしていますか? 広告に使われているビジュアルは、実際の世界と同じようなものでしょうか? 現実で体験していることが、視覚情報にも反映されているでしょうか? 身体が不自由な人については、メディアでの描かれ方と現実とでは大きな違いがあることが多いようです。
約5人にひとりがなんらか障害をもっているにも関わらず、一般的にメディアで見られるビジュアルの2%でしか、そうした人たちの生活が描かれていないというレポートがあります。

こうした背景から、ゲッティイメージズは1年前にVerizon Media(英語)とNational Disability Leadership Alliance(英語)とパートナーシップを締結し、身体が不自由な人たちを正しく表現するビジュアルを制作することで、これまでのイメージをくつがえす取り組みを始めました。National Disability Leadership Alliance(NDLA)は、障害をもつ人たちの指揮する17の全米団体による、複数の種類の障害を対象にした連合組織で、こうした専門家の知見を借りながら「Disability Collection」で、身体の不自由な人たちの生活をより包括的に表現するビジュアル素材を制作し、前述した問題を解決していくことを目指しています。

既にゲッティイメージズでは、障害を持って生活している人たちに対する固定されたイメージにどんなものがあるのかを特定し、より現実に則したビジュアル表現をしていくための包括的なガイドラインをまとめました。このガイドラインは、世界中のゲッティイメージズのフォトグラファーに共有されています。「Disability Collection」のガイドラインは、インクルージョンを意識して作成され、NDLAの代表者たちにビジュアル表現で気になる主要ポイントを検討してもらいました。たとえば、「彼らは障害をどのように描かれたいのか? 」 「どのような状況を写真に収めるべきか? 」 「人種、民族、そしてジェンダーと障害の接点をどのようにフォトグラファーは取り入れられるのか?」などです。
約5人にひとりが障害をもっているにもかかわらず、一般的に見受けられるビジュアルの2%でしか、そうした人たちの生活が描かれていません。

目標は、そうした取り組みが名ばかりになることも杓子定規になることもなく、さまざまな種類や程度の障害をもって暮らす人たちを起用して、その人たちが快適に撮影へ参加できる環境を作り、その結果、リアリティを反映した自然なビジュアルを作成することです。

そうして誕生したコレクションの1,000点以上に及ぶ写真は世界の誰もがライセンスして使用可能で、広告・メディア業界がより現実に則して障害を表現していくことを目指しています。ゲッティイメージズサイトでは1年前に比べ、障害に関連するビジュアル素材の検索が増加しており、“disability(障害)”が2017年から2018年までで98%、“people with disabilities(障害をもつ人々)”が218%、“disabled accessibility(障害 アクセシビリティ)”が124%増加しています。
人々が投稿するものやクリックするものを
一夜にして変えることはできませんが、
もっとリアリティを反映した表現やストーリーを
求める人に向けて、これまでとは違う優れたものを
提供することはできます。
パートナーシップ開始から1年が経った今、これまでになかった新しい検索キーワードが登場しています。それは“learning disability(学習障害)”、“intellectually disabled(知的障害)”、“physical disability(身体障害)””などがあり、障害を表現する際に求められる多様性が反映されています。また、こうした検索キーワードの変化には、従来のイメージを見直して多様な人たちを包括的に描こうと取り組んでいる、消費者や企業がいるということが表れています。

ビジュアルが世界で最も広く使われている言語である現在、先進的でインクルージョンを反映したビジュアル表現を率先して採用し、ダイバーシティを支援することが、かつてなく重要になっています。人々が投稿するものやクリックするものを一夜にして変えることはできませんが、もっとリアリティを反映した表現やストーリーを求める人に向けて、これまでとは違う優れたものを提供することはできます。NDLAとVerizon Mediaとこうしたパートナシップを結んで制作したコレクションを、多くの人にご利用いただくことで、人々の意見に耳を傾けて一緒に取り組む、美しい世界を描き出せるのです。
プロジェクト「#ShowUs」