ジャマイカの本当の姿:New Wave JA

コレクション / 提携パートナー
New Wave JA
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Christina Nwabugo
8月 20, 2019
カリブ海の旅行写真といえば、太陽、海、砂浜、ヤシの木あたりが特に一般的でしょう。しかし、New Wave JAという団体とのパートナーシップでは、長い年月にわたって抱かれてきた偏ったジャマイカのイメージを変えていこうとしています。New Wave JAは、個性、文化、社会といったトピックで現在のジャマイカを反映した作品を制作する才能あふれるクリエイターに発表の場を提供しながら、オリジナリティあふれる写真や映像を制作しています。

仕事の3分の1が観光産業に関連しているという常夏の島では、カリブ海で過ごす休日の魅力を宣伝するとき、透き通るように美しい青い海や、幸せそうなハネムーン中のカップル、家族で過ごす砂浜といったビジュアルが使われがちです。New Wave JAが力を入れているのは、そうしたビジュアルを作成することではありません。地元の人によるリアルなジャマイカのリアルな生活を新鮮な方法で表現することに取り組んでいます。

New Wave JAのディレクターを務めるリンゼイ・ロデンクアイ(Lindsey Lodenquai)は同パートナーシップの重要な点について、広範なコンテンツを提供することで、ローカルな広告代理店とグローバルな広告代理店の両方にリアルなジャマイカのビジュアルを使ってもらうことだと話しています。また、New Wave JAが協業する地元ジャマイカの才能豊かなクリエイターのなかには、女性のみのグループもあり、彼女たちとワークショップやミーティングを行って、コンテンツの拡充を図っています。ジャマイカ人女性の70%がメディアや広告で自分たちが正しく描かれていると感じていないという調査結果があります。この状況を変えていくために、 ニッキー・ケイン(Nickii Kane)、ウォレン・セント・マトリック(Warren St. Patrick)、ジクルーベン・プリングル(Jik‑Reuben Pringle)、デスティニー・コディソン(Destinee Codison)といったクリエイターと撮影を行ってきました。
地元の人によるリアルなジャマイカの生活を
実感の沸く新鮮な方法で表現することに
取り組んでいます。
New Wave JAの各メンバーは、独自の撮影スタイルや視点を持っています。ジクルーベン・プリングルが撮影してきたのは、活力に満ちあふれた熟年女性です。彼女たちのファッション同様に明るく魅力的ですがすがしい様子が映し出されています。デスティニー・コディソンの写真は、シングルファーザー/シングルマザーに対するマイナスのイメージを変えていこうとするもので、愛らしく肯定的な表現が展開されています。ニッキー・ケインは「Hair I Am」というジャマイカ人女性コミュニティとのつながりを深め、精巧にスタイリングされた髪の毛を通じて、女性の社会との関わりや文化的な自己表現方法を写し出す撮影を行いました。ウォレン・セント・マトリックは地元の農家兼シェフであるシーリース・コワン(Shereece Cowan)に密着して、リアルな家族生活を表現しています。

パトワ(ジャマイカの街で培われた俗語が多分に含まれる抑揚豊かな言語)のように、アフリカ、スペイン、イギリス、ポルトガルからの影響を受けたジャマイカの多様な歴史背景が反映されることも、New Wave JAによるビジュアルの特性です。才能に満ちた数多くのクリエイターとともにビジュアル制作に取り組むNew Wave JAは、地元のリアルな体験、健全なコミュニティ、そして独自のカリブ文化を表現しながら、そうした多様なビジュアルを求める広告業界のニーズに応えていきます。
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