老い:インクルージョンのカギを握るもうひとつのテーマ

コレクション / 提携パートナー
Flashpop
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Rebecca Swift
9月 24, 2019
“老い”という言葉から、どんな光景が思い浮かぶでしょうか? 介護士に寄り添ってもらいながら歩行器を使う高齢者。肘掛け椅子に独りで座っているおじいさん。ボタンの大きなガラケーを手にするおばあさん。

日々の生活で見かける高齢者の典型的なビジュアルは、こうしたものではないでしょうか。ところが、最近の高齢者はこうしたイメージとはかけ離れています。

というのも、人生を謳歌している50歳以上の人たちが増えているからです。現役で働く期間が長くなり、起業したり、さまざまな世代の子供を育てたり、お世話されるのではなく、お世話する側の立場になったりと、元気な人が増えているのです。健康的であるだけでなく、テクノロジーに積極的な高齢者もいます。端的に言えば、カフェでコーヒーを飲み、自撮りを友人と楽しむなど、若い世代と同じことを数多く楽しんでいるということです。その生活には、まさに多様な側面があります。

ゲッティイメージズがAARP(英語)と共同で“Disrupt Aging”コレクションを立ち上げた理由も、ここにあります。このコレクションには、高齢者のリアルな日常をインクルージョンを反映して肯定的に表現した1,000点以上の写真が収録されています。
50~100歳の人を対象にして、毎日の模様や生活スタイル、そして人間関係をビジュアルにして届けることで、私たちは高齢者の多様な側面を伝えていこうとしています。
50~100歳の人を対象にして、毎日の模様や生活スタイル、そして人間関係をビジュアルにして届けることで、私たちは高齢者の多様な側面を伝えていこうとしています。テーマは、仕事、テクノロジー、介護だけに限定されておらず、年齢、ジェンダー、民族、収入の面で幅広い人たちに焦点を当てています。

AARPの多様性に富む見識を参考にして作成したのが、撮影を担当するフォトグラファーのためのガイドラインです。喜び、友情、成功といった肯定的なコンセプトに目を向けると同時に、多様な側面を持つ人間関係や社会とのつながりを織り込む必要性を強調しました。これまで広告で十分に描かれてこなかった高齢者のリアルな側面をすべて取り上げていきます。

その最前線にあったのは、現実に即したビジュアルを提供することでブランドや企業が高齢者の顧客にもっと訴求できるようになってほしいという思いです。この年齢層を対象にしたビジネスを行うために優れたビジュアルコミュニケーションが必要になるとわかっていましたし、それを実現できると思っていました。AARPの調査では、50歳以上の人たちの3人に2人がメディアでのビジュアルを高齢者差別だと感じています。同年齢層の80%は、固定観念で自分たちの生活スタイルが描かれていると口にしています。なかには見向きもされていないという意見もあり、50歳以上の女性の51%は広告で自分たちが描かれていないと述べています。

50歳を超えるアメリカ人が1億人以上もいて年間7.6兆ドルを消費していることを考えると、ブランドとしてはこの層に訴求する機会を逃すわけにいきません。ゲッティイメージズでも、ビジュアルに顧客と同世代の被写体が適切に描かれている場合、つながりを感じてもらって見てもらいやすくなることがわかっています。
50歳以上の人たちの3人に2人がメディアでのビジュアルを高齢者差別だと感じています。同年齢層の80%は、固定観念で自分たちの生活スタイルが描かれていると口にしています。
このことはデータ上にも反映されています。50代以上を起用したビジュアルの需要が高まっており、昨年の検索データだけでも、その変化を見て取れます。単に身体が健康的であるだけでなく、活動的に仕事をしながら頭を使う作業やこころの健康を取り上げる動きが増えています。同様の変化は、ゲッティイメージズの利用者が選ぶビジュアルにも表れています。

2008年にゲッティイメージズでもっとも購入された高齢者のビジュアルは、遠方の景色に見とれる白人カップルでした。これは、お約束とも言える定年カップルのイメージです。私に言わせてもらえば、以前の高齢者にとってのあこがれのイメージです。

ところが、2018年にもっとも売れたビジュアルは何だったかというと、一緒にヨガをしている高齢女性の友人グループでした。つまり、身体的な健康を示していて、交友関係もあり、人生を楽しんでいる高齢女性のグループということです。友情、健康、交流、喜びといったコンセプトを結びつけることで、ゲッティイメージズは現在の時代に適したビジュアルを提供してきました。そのことは、利用者にも伝わっているようです。

“Disrupt Aging”コレクションでも、長い時間をかけてまったく同じことに取り組もうとしています。固定観念を打ち砕き、高齢者に対する思い込みを変えていく。何が言いたいのかというと、年齢は単なる数字でしかないということです。この意識をもっと広めていきましょう。
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