For The Love Of My People:同類への愛

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Curtis Essel
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Rachel Brinton Matthews
3月 19, 2019
「For The Love Of My People:同類への愛」は、監督のカーティス・エッセル(Curtis Essel)が詩人/シンガー/神学者のジリアン・M・ブラウン(Jillian M. Brown)にオマージュを捧げたビジュアル作品です。男らしさやアイデンティティといった概念をめぐって、男性にまつわる新旧の幅広いテーマが現実を舞台に描かれています。ゲッティイメージズが予測した2018年のビジュアルトレンドのひとつ「Masculinity Undone:脱・男らしさ」の延長線上にある同作では、多様化した男らしさがジリアン・M・ブラウンの詩に合わせて物憂げな描写で美しく映し出されます。

男らしさの弊害について論じられるようになった現在よりもずいぶん前にジリアン・M・ブラウンの詩は書かれていますが、この文脈でとらえることで現代の関心事を反映し、これまでの経験と、自己内省の大切さが浮き彫りになっています。映像のオープニングで流れるジリアン・M・ブラウンの散文詩は、次のとおりです。「I will study myself. To discern who I have become. I will see how my mind has been influenced, from the moment of my birth.(抄訳:私は私を観察する。どんな自分になったのかを知るために。私は、私が生まれた瞬間から、私の心がどんな影響を受けたのかを理解する。)」

外から差し込む自然光で理髪師やボクサーを撮影した場面や、自転車に乗る少年をローアングルショットで撮影して落ち着きと力強さを演出する場面などの美しい構図が、物語を魅力的にしています。

男性の描写がこれまで限定的だった状況に対して、メディアが徐々に変化を見せるようになっています。髭剃りブランドのGillette(ジレット)のCM「The Best A Man Can Be(男の最高到達点)」は、その一例です。そうした“男らしさ”の新たな議論をさらに浮き彫りにする格好の映像として、「For The Love Of My People:同類への愛」はステレオタイプを打ちこわし、多様な男性と彼らの人生経験を表現しています。
未来世界の創出